処理分野②:油圧シリンダ、空圧シリンダの内径への硬質クロムメッキ
パイプ内径への硬質クロムメッキが必要な図面はほとんどが空圧シリンダ向けになります。内径がφ6mm~φ200mm、長さ2000mmまで対応をしています。
油圧シリンダでは、ピストンロッドと内側で接触し摺動する内径には油が介在しており、外気に触れたり、環境変化にさらされたりすることがないため、耐摩耗性と防錆への観点から内径への硬質クロムメッキをすることは稀です。
外径にメッキ加工をする場合と異なり、内径メッキの場合は、内径に陽極を通してメッキ加工を施します。硬質クロムメッキの原理として、メッキ液を入れたメッキ浴槽の中で、メッキしようとする対象製品を陰極(−)とし、陽極(+)にはアノード(鉛)を用いて、両極間に直流電源を接続して電圧を与えると、電流が流れて、陰極(−)で還元反応が起り、メッキの材料の金属が析出し、メッキ皮膜に成長します。メッキ加工の原理くわしくはこちら
内径への硬質クロムメッキ加工は、パイプの内側中心に陽極を突っ込む形となり、通常の外径への硬質クロムメッキ加工より難易度は高く工数も多くなります。縦方向に吊るしメッキ加工を施す対象物によっては治具で上下を抑えて固定する必要があります。山旺理研ではワーク固定のための治具を数多く用意してあり、パイプ内径に陽極を設置するための設備と技術力を保有しています。