電気メッキと無電解ニッケルメッキとの違い
電気メッキと無電解メッキの違いは、電気メッキが電気を流したときの電気分解による金属析出を利用しているのに対し、無電解ニッケルメッキは薬品による化学反応を利用していることです。
無電解ニッケルメッキは、メッキ浴内で製品表面に還元反応を生じさせてメッキ皮膜を成長させる方法です。
無電解ニッケルメッキでは、電気を使わないため、製品に導電性がなくてもメッキできます(素材に合わせた前処理が必要)。さらに、電気の流れに左右されないため、表面に均一にメッキすることができるため、複雑な形状のメッキに適しています。
それに対し、電気メッキで表面に均一にメッキ皮膜を得るには、治具による製品の配置や、補助極の配置によりメッキ皮膜の厚さのバラつきをなくしたり、多くの工夫やノウハウを必要とします。
無電解ニッケルメッキは、化学反応だけで皮膜を形成するので、析出する速度が遅く膜厚に限度があります。また、化学反応に高温を維持することから、メッキ槽が化学的に不安定になりやすく、その調整のために投入する薬液にコストがかかり、管理が煩雑になり、無電解メッキの多くは電気メッキよりも高コストです。