無電解ニッケルメッキの特徴(長所と短所)
無電解ニッケルメッキは、他の電気メッキと比較して、
①めっき膜厚が均一である
②電気を使わないため、不導体へのめっきが可能である(素材に対しての前処理が必要)
③表面が酸化変色しやすい
④硬度は熱処理する事により上がる
⑤析出被膜は非晶質であり熱処理により結晶質になる
上記特性があり、電気の流れに左右されないため、「複雑な形状」や「寸法精度が必要なもの」にも均一にメッキ皮膜を形成できます。
また、無電解ニッケルメッキは、浴内のリン含有率を変更させたり、テフロンを添加したり、ベーキング処理を加えたりすることにより特殊な皮膜を形成することができます。
一方で、化学反応だけで皮膜を形成するので、析出する速度が遅く膜厚に限度があり、メッキ浴温度が90℃弱と高温のため、熱の影響を受ける製品にはメッキができません。また、化学反応を利用しているためメッキ浴組成が不安定になりがちであり、メッキ浴の維持管理の困難さがあります。